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『吸血鬼』 [観劇]

『吸血鬼』
『吸血鬼』@PARCO劇場
2010年6月11日19時開演 D列19番

脚本:青木豪
演出:茅野イサム

出演:
藤村恭子……鈴木砂羽
菊池顕……細見大輔
藤村一馬……玉置孝匡
藤村佳恵……平田敦子
山中明美……柿丸美智恵
郡司雄太……牧田哲也
川野辺祥一……津村知与支
桜井のり子……水崎綾女
山中博史……山崎銀之丞

アンサンブル……斉藤マッチュ/小坂賢人

もしも、あの時、あの街、あの部屋の扉を開けていたら、人生は変わっただろうか―――



チケット取ったのが10日ほど前。
その時点で一番前が空いてた。
さすがにそんな近くでは・・・ということでD列で。
役者の表情も見えて、全体も見える。
芝居観るにはベストな、私好みの場所でした。


ストーリーは、解釈のわかれそうな。
3パターンの話が展開される。

ちんどん屋が見つけたアパートの死体。
自殺なのか、他殺なのか。

1人の女性の死。
そこから浮かび上がる彼女・藤村恭子の人生。
それを追い、調べ、書く、元恋人でシナリオライターの菊池顕。
菊池は何を見つけたいのか。
彼女と彼を取り巻く、厳しい現実。
そこから見えてくる生きることの辛さ。
1人の人間の人生、寂しさ、孤独。

「あの日、彼女を部屋に入れていれば、きっと彼女は死なずにすんだのに」

菊池は恭子のことを題材にしてシナリオを描く。
調べていくうちにわかってくる恭子の知られざる一面。
そこから彼女の生活を人生を孤独を推測していく菊池。
そして、彼女の死にまつわる事実に迫ったところで急展開。

死んだはずの彼女が彼と会話をする。
「これで満足?菊池くんはこれで満足なの?」
そして、彼に謎めいた言葉を投げかけて消える。
「もう誰の声も聞こえない」と呟く菊池。
たった一人残った彼は叫ぶ。
叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。

そしてまた冒頭のシーン。
ちんどん屋がアパートの死体を見つける。

今度は死んだのは彼・菊池顕。
藤村恭子が彼のアパートに現れる。
そして彼同様、2人の繋がりについて後悔する。
「“あのとき”泊まっていれば、彼は死ななくてすんだのに」
恭子には日常が待っている。
不倫相手とは別れ、仕事に打ち込み、結婚や出産にほのかな想いを抱く日々。

そしてまたシーンが変わる。

2人がそれぞれの選択を後悔したあの日に。
そして、今度は2人は選択を誤らない。
2人で手を取り合って、一緒にアパートに入っていく。



それぞれの話の繋がりをどう解釈するのか。
全て菊池の脚本の中の出来事と取るか。
1つ目は彼の脚本、2つ目が現実、3つ目が願望と取るか。
3つ目が現実で、1つ目2つ目は違う選択をしたときの別の結末と取るか。

1つ目のストーリー展開が芝居の6~7割の時間を占める。
後半にかけて、観ている側はどんどん混乱していく。
考える、推測する、何かをつかもうと努力する。

自分自身、ちゃんと消化できてない。

「なんで人は誰かと繋がっていたいと思うんだろう」

恭子のこの台詞が響いた。
ざらっとした感触とともに、沁み込んできた。

なんで誰かと繋がりたいと思うのか。
どんな形でも誰かと関わりを持っていたいという欲求。
自分以外の他人と繋がっていることで、自分の存在を確認しているのかもしれない。
他の誰かと繋がっていることで、自分の存在意義を探しているのかもしれない。
自分を確かめるために、他の誰かと関わりたいと思っているのかもしれない。

誰かに必要とされている。
そこに自分の居場所がある。
自分が存在する理由がある。

それを求めているのかもしれない。

「あなたは何と繋がりたかったの?」
タグ:観劇
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