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『抜け穴の会議室~Room No.002~』 [観劇]

Team申 第4回公演『抜け穴の会議室~Room No.002~』@PARCO劇場
2010年12月25日19時開演 Z列25番

作・演出:前川知大
出演:大杉漣/佐々木蔵之介


「静」の芝居。
人と人との縁、繋がりを考えた。

よく一緒にいるあの人。
何か縁を感じるあの人。
近くにいるあの人。
妙に気が合うあの人。

彼らとは前世からのお付き合いなのかしら。

半円の舞台。
壁は白、壁には複数の四角い窓。
そこには様々な数字が描かれた背表紙の本が多数。

後方と左右に扉。
中央には一段高くなった円舞台。
傾斜がついている。
その中央にもたくさんの本が積み上げられている。

後方の扉が重々しく開き、杖をつき現れる白い服の中年の男。
ゆっくりと歩いてくる。
そこに何やら地鳴りとともに、大きな揺れ。
中央の本が盛り上がり、何かが現れる。
次の瞬間、現れたのは白い服を着て点滴をしながら横たわる若い男。
二人の男のちぐはぐなやりとり。
そこからはじまる二人の『人生の復習』。
ここには蜂の巣のようなたくさんの部屋ある。
その隣り合わせの人は前世でも関係が深かったという。
遠くなればなるだけ、関係は薄くなる。
お互いの共有した記憶を思い出し、復習することで、生まれ変わることができる。

二人の男は前世でもそのまた前世でもさらにさらに前の人生でも関わりがあった。
その記憶(本)に二人で触れるとフラッシュバックが起こる。
そこでそれぞれの前世の記憶を演じる二人。

佐々蔵と漣さんがそれぞれその記憶に応じた役を演じる。
たった二人の芝居なのに、登場人物やその年齢は幅広い。
それぞれの役者としての力量が試される芝居。
もちろん、充分に見ごたえのあるものになってた。

前々世での記憶。
中年の男(部長)は親、若い男(先生)は息子。
この二人の確執とすれ違い。

前々世で、この親子はわかり合うことができなかった。
息子のやることに口を出し続け、否定し続ける父。
そんな父に反抗しつつも、強く出ることができない息子。
クライミングを趣味としてた親子。
あるとき、クライミング勝負をしようと切りだす息子。
それに勝ったら今後は自分の好きなようにさせてもらう。
負けたなら父の言う通りにすべてする、という。
結局、悪天候の中のクライミングで、父は滑落し、最後には命を落とす。
そこには息子の複雑な思いも絡みながら。

自分の思いは相手には正しく伝わらない。
それが身近な人ならなおさら伝えるのが難しい。
誤解が蓄積してこじれていく。
こじれてしまうと、もう真っすぐにはならないのかも。
そんなことを思いながら観ていた。

そして前世で先生が医者となったのも、前々世の影響があるのかもしれない。
父が滑落したとき、応急処置が出来ていたならば救えたかもしれない。
そう救急車で運ばれた病院で医者に言われたから。

基本的には前世と前々世が中心となり話が進む。
その中で出てくる女性たち。
前世では部長の娘、前々世では部長の妻であり、先生の母。

前々世で、結局、父の呪縛から逃れられずに自殺した息子。
それを聞き、部長は怒り嘆く。
なぜ、母さんを一人にしたんだ、と。
先生をなじり、恫喝し、罵り、頭を抱える。
息子から見たら、母を苦しめていただけに見えていた父。
しかし、父の死後の母の様子、そしてここでの部長の様子。
二人は互いに想い合っていた。
自分は両親のことを本当にわかっていなかった。

前世で先生は、部長の娘を助ける、それもこっそりと。
白血病になった部長の娘。
その治療のために、先生の勤める病院に入院してきた。
久しぶりに再会した二人。
しかし、立場の違いから口論になる。
先生はその後、こっそりと骨髄検査を受ける。
まさかの適合。
そして部長には隠して、娘の骨髄ドナーとなる。
その事実を復習で知った部長。
前々世の罪滅ぼしか、なぜあのとき言わなかったのか、となじる部長。

ふと部長が気付く。
二人が再開した中尊寺。
そこに部長が行くきっかけとなったのは、途中ヒッチハイクで乗せてくれた老年の女性が勧めたから。
その女性は70代後半で、レトロな車に乗っていた。
逆算すると、それは前々世での部長の妻!
免許を持っていなかった妻は、夫と息子の死後、免許を取ってカッコよく生きてた。
それを知って、部長は大笑いし、ほっとした表情で「先に行ってる」と扉の向こうに去っていく。

先生はまだ復習を続けるという。

ここで、前々世の部長の妻であり先生の母である女性。
この女性が前世の部長の娘じゃないか、と思った。
他人である先生と娘が骨髄の型が一致するなんて因縁めいてる。
ここまで二人に深く関わってる二人の女性。
同じ魂を持った女性なんだろうって思った。

舞台上には出て来ない存在。
その女性に思いを馳せる二人。
こちらもその女性を想像し、色々と考えた。

たった二人の静かな芝居。
でも、深く考えたし、見ごたえがあった。
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