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『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』二回目 [CARAMELBOX]

演劇集団キャラメルボックス2009クリスマスツアー
『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』@池袋サンシャイン劇場
2009年12月15日19時半開演 1階19列23番

前回の感想はこちら。

千秋楽まで行く予定はなかったけど。
平日は空席がかなり多いとの情報があったので、もう1回増やしてみました。
といっても、ハーフプライスチケット利用♪


今回は、ラストシーン直前の尻屋(細見大輔)の台詞にぐっときた。
細見さんらしい演技が、この一瞬に凝縮されてるように思えた。

1回目の観劇で。
相変わらず“キャラメルボックスらしい”演技をしてる細見さんを観て、正直、「またか・・・」と思った。
私は外部での細見さんの演技がとても好きなので、それがキャラメルの舞台で観られないのは残念。
今回も外部で活躍する前の“肩に力が入った”演技に見える。
途中なんてほとんど“自棄”になってるように見える。

でも、その最後の台詞。
あれは“今の細見さん”だった。
思わず、はっとさせられる迫力があった、台詞自体は静かなのに。
あの演技が観られたのがすごく嬉しかった。

ストーリー自体は、冒頭とラストの陸奥(岡内美喜子)のシーンがどうしても繋がらない。
あの“小説”の存在が何の意味があるのかがわからない。
陸奥自体があの脚本のなかで何の意味を担ってるのかがわからない。
ライヴハウスに行くきっかけとしてだけならば、別に他の方法があったはず。
ラストの「小説を書いてきた」というのも唐突で、意味不明。
どういう意図があって、あの役があり、あの小説があり、あのシーンがあるんだろうか。

それを気にすると芝居全体がしっくりこないため、その部分は無視して観ちゃった。

この芝居の一番難しいところでもある“二人一役”。
本人と、心の声。
これはやはり難しいと思うし、この集中力はすごいと思う。
中心にいる静治(西川浩幸)は、ものすごく混乱すると思う。
見えていないはずの心の声を演じる役者に視線がいかないようにしなくてはいけない。
静治から見て、声の主と心の声が同じ方向で演技してる場合はいい。
でも、それぞれが違う場所で演技をしてるときには視線の動きにかなりの精神力を使うと思う。
それをやり遂げてる西川さんはすごいね。

静治と詠子のシーンはほんとにいいなぁ、と思う。
実生活でも夫婦の二人(西川浩幸&大森美紀子)。
劇団初期からずっと組み続けてきた二人。
だからこそ出せる空気感があると思う。
それが、二人のシーンのリアリティに繋がってる。

あとは前田綾がいい。
彼女が演じる白神も、静治同様に“天使の耳”を持つ。
最近は“イロモノ”を当てられることが多かった綾さん。
今回の静かな演技は『猫と針』を彷彿とさせる演技。
すごく自然で、でも存在感があって。
まぁ、あの役を“イロモノ”でやられたら困るけどね。

秋人を演じる阿部丈二。
ろう者の役なので、言葉は一言も発しない。
秋人の心の声を演じる多田直人の“声”はあるけれど。
でも、声は発しないけれど、手話やちょっとした仕草から伝わってくるもの。
クライマックスシーンでは、多田くんの“声”とのシンクロもすごい。

春のハーフタイムシアターでもアベジョーの表情だけの演技は素晴らしかった。
来年の夏、『また逢おうと竜馬は言った』。
この主役、岡本をアベジョーで観たいと強く思った。
(ちなみにメインの2役。岡本と竜馬はダブルキャストとの発表あり。)

ひっかかる部分としては、三ツ星ゼミナール前から静治が警察に電話をするシーン。
坂口さんが110番のオペレーターをやってるのだけど。
“しゃっくり”をしつこく繰り返す。
正直、あの中途半端に笑いを狙ってる演技はいただけない。
成井さんの演出って、あぁいう意味のない笑いが混ざってるときがあるけど・・・。
私は正直いらないと思う。
話が伝わらない、という苛立ちを表現するならば、他に方法があるはず。
せっかくのシーンがものすごく中途半端な印象になるのが残念で仕方ない。

この芝居、ストーリーは決して派手ではないと思う。
ただやってることがすごく難しい。
結果、舞台上で行われてることが派手に見えている。
クオリティはまだまだ上げられると思う。
でも、充分に楽しめる芝居になってる。

演劇集団キャラメルボックス『エンジェル・イヤーズ・ストーリー』
2009年12月25日(金)まで池袋サンシャイン劇場にて上演中。

平日には席に余裕があるそうです。
土日も2階席なら行けそうです。

お得なハーフプライスチケット(当日半額券)は
10時から開演の一時間前まで購入可能(予定枚数オーバーの場合はその時点で販売終了)。
販売店舗は下記のチケットぴあ2店舗です。
【池袋】東武百貨店池袋店プラザ館5階11番地
【有楽町】東京国際フォーラム・チケットセンター

また、当日券は開演の1時間前から劇場にて発売しています。

少しでもいい席でご覧になりたい場合は事前予約を。
インターネット予約はこちら。
キャラメルボックス電話予約は03-5342-0220まで。
公演当日まで予約可能(受付時間12:00~16:00、日祝休演日は休み)

公演日前日予約はインターネットで。
もしくは電子チケットぴあ・前日予約専用電話、0570-02-9997(12:00~18:00)まで。

学生割引予約(6000円→4000円)もあります。
電話でも受付してるそうです。

年末の忙しい時期ですが、時間があったらふらっと劇場へどうぞ。
タグ:観劇
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