『アルケミスト』 [観劇]
少年社中第20回公演『アルケミスト』＠中野ザ・ポケット
2008年7月18日19時開演 L列7番
原作：パウロ・コエーリョ
作・演出：毛利亘宏
出演：
サンチャゴ…堀池直毅
アルケミスト…林修司（ルドビコ★）
王様・羊・ラクダほか…井俣太良
ファティマ・羊・りんご売りほか…秋山えり
盗賊・サンチャゴの父・キャラバン隊長ほか…岩田有民
クリスタル屋店主・羊・盗賊の頭・ヘビほか…廿浦裕介
占い師・オオカミ・ピーちゃんほか…森大
錬金術の研究者・羊ほか…加藤良子
隣のクリスタル屋店主・羊・スナネズミほか…長谷川太郎
クリスタル屋店主の妻・羊・サソリほか…杉山未央
ファティマのおかん・羊・牢の番人ほか…山川ありそ
ジプシーの女ほか…末冨綾
アンサンブル：
大沼優記、高橋宏典、竹内尚文、山口文康
《STORY GUIDE 公演チラシより》
少年社中【10周年記念公演】第2弾！！
記念すべき第一回公演作品【アルケミスト】を大幅リニューアル！
『夢見る少年は、宝探しの旅に出た』
旅の途中、少年は一人の錬金術師［アルケミスト］に出会う。
錬金術では『金』を無から作り出す方法にあらず。
この理（ことわり）を理解し、賢者の石にたどり着く大いなる哲学。
それを理解した者は、翼を持つことなく大空を翔ける…。
少年に次々と襲い掛かる『数奇なる運命』！
錬金術師［アルケミスト］が託す『この世の真実』！
出会い…。別れ…。
そして、砂漠を包み込む悲しい戦争。
様々な思いを胸に少年は駆け抜ける。
自らの『宝物』を手に入れるために！
これぞ少年社中！
これぞ王道ファンタジー！
中野ザ・ポケット。
客席に入ってすぐ、舞台の奥行に驚く。
何本もここで上演した作品を観ているけど、こんな舞台の使い方は初めて。
毛利さんの演出は、舞台の奥行や使い方、場面転換の仕方にいつも驚きを感じる。
（慣れてくると「あぁ」って思っちゃうのかな。まだ平気だけど。）
今回の場面転換はすべて照明のみ。
セットはとてもシンプル。
それでも、そこは草原であったり、砂漠であったり、オアシスであったり。
衣裳は白を基調として、強い色はなく、アースカラー。
それにかぶりものや布、小物などを足すことで一人数役をこなす。
ダンスは観ていて楽しかった。
羊飼いと羊たち。
のびのびとした楽しいダンス。
きっと、彼らの生活も単調なりに楽しい毎日だったのかな。
ラストはふた通りの解釈ができそうな感じ。
サンチャゴが“前兆”に従い、“宝物”を探しに廃墟の教会へ戻ったか。
すべてを察して、絶望し、どこかへ消えたか。
おそらく、前者だと思う。
ただ、そう断言するには、ラストの観せ方が足りなかったように思う。
尻すぼみかな。
全体的には、途中のエピソードが長く、最後が弱かったように思えた。
でも、いい作品。
「強い気持ちがあれば、願いは叶う」
「あの人たちがいなければ、今の自分はいなかった」
自分を構成するすべてのものに感謝できるか。
自分が選んだ道を歩いていける強さを持っているか。
歩いていこうという意志があるかどうか。
折れない心、諦めない強い気持ちを持っているかどうか。
自分にとっての“宝物”とは何なのか。
そういったテーマを考えさせられる。
また、自分はどうだろう、と思う、思わせられる。
笑いが存分に散りばめられたお芝居。
基本的には笑いながら観ることができる。
終盤、一気に話が転がって笑っていられなくなるけど。
まぁ、現実なんてそんなもの。
楽しいこと、嬉しいこと、面白いことがあれば、辛いこと、苦しいこと、悲しいことがある。
それに目を背けずに、自分の信じた道を歩けるか。
自分自身を信じていけるか。
なかなか難しいんだよね、それって。
堀池直毅。
彼は表情がいいよね、引き付けられる。
小劇場向きの役者さんなんだろうな。
井俣太良。
彼は観るたびに印象が変わるなぁ。
面白い役者さん。
でも、笑いの部分は何となく掴めてきたかな。
林修司。
演技にクセがあるなぁ、という印象は変わらず。
でも、今回もいい役だったな。
少年社中の面々とは異質な雰囲気なので、役どころと合ってた。
また機会があれば観てみたい。
森大。
なんつーか（笑）
様々な色モノを演じてましたね。
いやぁ、さすがです。
終演後に声かけさせてもらいましたが、何でこうも声が変わるんだろう（笑）
地声は低音で渋いんだけどね。
次の30-DELUXどうしようかな・・・
秋山えり。
“大竹えり”から“秋山えり”に。
結婚されたそうです、おめでとうございます♪
ほんと可愛らしい女優さん。
でも、芯の強さを出してくる。
もう一度、観たかったなぁ。
きっとまた違う発見がありそうなお芝居。
2008年7月21日まで、中野ザ・ポケットで上演中。
http://www.shachu.com/
タグ：観劇
コメント 0