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『鳥瞰図―ちょうかんず―』 [観劇]

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シリーズ・同年代Vol.1『鳥瞰図―ちょうかんず―』@新国立劇場小劇場
2008年6月19日14時開演
バルコニー席、RB列34番

【ものがたり パンフレットより】
東京湾岸のある町。そこは4分の3が埋め立てた土地でできている。かつて住民の多くは海から生活の糧を得ていたが、工業化による汚染と経済成長のなかで海に生きる選択肢を捨てた。やがて埋め立てられた土地には高層ビルやマンション、遊園地などが建設され、貧しかった町は豊かになった。
古い側の土地にある釣り船宿「升本」は、三代続く老舗だが、今は地元の常連客相手に細々と営業している。女将の佐和子と息子の茂雄が切り盛りするこの船宿には近所に住む個性的な面々が集まり、いつも賑やかだ。そんな夏のある日、見知らぬ少女が船宿を訪れた。ミオと名乗るその少女は出て行った長女の娘だと言う。女将にとって初めて見る孫の顔。その来訪をきっかけに失われた海の記憶が語られはじめる……。


作:早船聡
演出:松本祐子

出演:
佐和子……渡辺美佐子
茂雄……浅野和之
ミオ……野村佑香
杉田……八十田勇一
朝子……弘中麻紀
照之……浅野雅博
勇太……佐藤銀平
峰島……品川徹


いいお芝居でした。
個々の役者さんも素敵。
話もよかった。

自然と笑みがこぼれる。
明るい笑い声が起こる。

その辺に普通にいそうな、でも個性的な面々。
喜びもあれば、苦しみも悲しみもある。
不器用にでもそれなりに一生懸命。
その情景にふんわりと浸りました。

中心となる佐和子、茂雄、ミオ。
この三人を取り巻く周りの五人が非常に魅力的。
一人一人が生き生きとしてる。

そして、渡辺美佐子さん演じる佐和子。
よかったなぁ、ほんと。
伊達に人生経験積んでない!って感じの女性でした。

ワンシーン。
完全に引いてしまったところが。
ミオが、母の死について話すシーン。
あれは仕方ないかな。
実際の悲しみを経験した人間には「演技」は「嘘」でしかない。


文学座の浅野雅博さん。
ラッパ屋の弘中麻紀さん。
演劇集団円の佐藤銀平さん(『デンキ島』)。
品川徹さん(『身毒丸復活』)。
この四人は好みの役者さんだとわかっているので、期待した通り。
それぞれがやはり素敵でした。

照明よかったですね。
落とし方など、演技に寄り添う感じで。

バルコニー席だったので、上手側のセットがよく見えず。
終演後に見たら、とてもいいセットでした。
船宿の外まで、ちゃんと作ってあるんですね。
チケット代をケチってバルコニー席にしたことをちょっと後悔した瞬間でした。

※追記(6/20)
私は千葉生まれの千葉育ち。
このお芝居の舞台は浦安辺りだそうです。
台詞に「美浜」と出てきます。
昔、東京湾は遠浅のきれいな海だったそうです。
父は、まさに美浜の海近くで育ちました。
潮が引くと何キロも沖に続く砂浜ができたそうです。
そこでしゅっちょう潮干狩をしたそうです。
その頃の話、埋め立ての話を子どもの頃から聞いてました。
私はその埋立地にある高校に通っていました。
このお芝居は、私の身体にしみ込んでいる物語の一部でもありました。

そして、母方は伊豆。
やはり海の近くでした。
船宿にはお世話になったことはないですが。
セットは何だか潮の匂いが漂ってきそうな雰囲気。
潮騒、海鳥の声が聞こえてきそうな。
何だか懐かしい、ほんわかとした気分になりました。
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