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『シラノ・ド・ベルジュラック』 [CARAMELBOX]

『シラノ・ド・ベルジュラック』
成井豊の世界名作劇場『シラノ・ド・ベルジュラック』初日@俳優座劇場
2010年9月29日19時開演 11列13番

作:エドモン・ロスタン
翻訳:渡辺守章
演出:成井豊

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

シラノ・ド・ベルジュラック (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: エドモン ロスタン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/11/11
  • メディア: 文庫


出演:
シラノ・ド・ベルジュラック……阿部丈二
ロクサーヌ……阿部哲子
クリスチャン……多田直人
ル・ブレ……岡内美喜子
ド・ギッシュ……畑中智行
ラグノー……左東広之
侍女、他……小林千恵
ド・ヴァルヴェール、他……小多田直樹
リニエール、他……石原善暢
モンフルリー、他……鍜治本大樹
物売り娘、他……稲野杏那
侯爵、他……林貴子
ベルローズ、他……森めぐみ


俳優座劇場
まずは感想。

よかった。
本当に素敵な芝居が観られた。

『シラノ・ド・ベルジュラック』
原作は読んでない。
(近いうちに購入して読む予定)

ここからネタバレあり。




阿部丈二のコミカルでいて真摯なシラノ。
自分の不細工な顔立ち、鼻にひどく劣等感を持っている。
でも、彼の詩人としての才能はとても豊か。
そんな彼が愛したたった一人の女性、ロクサーヌ。
彼女は別の男性を愛していた。

終盤は観ているこちらが苦しくなる。

コンプレックス。
自分になく、あいつにある。
自分にあり、あいつにない。
ならば、そのお互いに“ある”部分だけを足して彼女を口説こう。

クリスチャンも悲しい。
形だけはロクサーヌと結婚したものの、彼女の心は自分にはないことを知ってしまう。
彼女が自分を通してシラノを愛していることを知ってしまう。
でも、彼女はそれに気付いてない。
だからこそ彼女の愛の言葉はクリスチャンをひどく傷つける。

真っすぐにクリスチャンに愛を告げるロクサーヌ。
阿部哲子の滑舌の良さはお見事。
才女と言われる回転の速さ。
無鉄砲なまでの情熱。

見た目は美しいクリスチャンを演じる多田直人。
闇夜のバルコニーで、ロクサーヌを見つめるその視線、表情。
薄々わかっていながらも、知らないふりをして、目をそむけていたシラノの気持ち。
最後、アラスで銃弾に倒れた後、シラノの言葉を聞いて微笑みながら息を引き取る。
あの瞬間、クリスチャンはシラノの言葉を信じたんだろうか。
それとも友の偽りの言葉を知り、感謝をしたのだろうか。

ラストシーン。
すべてに気付いたロクサーヌ。
しかし、シラノは絶対にそれを認めない、頑なに否定する。

最後の最後。
シラノが発した「心意気」という言葉と笑顔。

なんて不器用な。
なんて切ない。

膨大なシラノの台詞。
古典的な言い回し。
時にコミカルに、時に情熱的に、時に挑戦的に。
初日であれだけのものが観られるのならば、大千秋楽はどうなるのだろう。


芝居以外でいくつか。

前説が今回は一工夫。
育成対象の入団2年組2人がやる。
でも、その後ろには出演者が全員そろってる。
(階段を客席に見立て、そこに腰かけて観客としている)
これはね、ここ数回のスクリーンに比べたら格段に好感が持てた。
素で笑ってる後方の出演者たちもよかったし、前説2人の必死さもいいね。

音楽。

前説からして・・・。
堂島くんの曲が・・・(苦笑)

そして芝居冒頭。
あれは反側ですわ、私には。
最初の5分は舞台上で何が行われてたか記憶にない。
Schroeder-Headzが使われてたのよ。

劇中にはユニゾンの楽曲も。
『つばき、時跳び』からの流れかよっ!と。

まぁ、そんなこともあり。
来週、都合付けてもう一度行くことを決めた!!

でも、今回はほんとおススメですわ。
俳優座劇場は客席が少ない。
土日はチケット確保はもう難しい状態。
でも、平日はまだ大丈夫だそうです。

成井豊の世界名作劇場『シラノ・ド・ベルジュラック』@俳優座劇場
2010年9月29日(水)~10月10日(日)

ちなみに、東京のあとは神戸公演があります。
こちらは新神戸オリエンタル劇場。
俳優座劇場の3倍の客席数。
なのでまだまだチケットは大丈夫なようです。

【PC】http://www.caramelbox.com/stage/cyrano/
【携帯】http://www.caramelbox.com/k/stage/2010cyrano/




タグ:観劇
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ミル茶

ぷりんさん!ありがとうございます!

ぷりんさんのブログに背中を押されて観に行きました。
と言っても「本当に素敵な芝居が観られた。」と
もう一回行くという言葉だけで決めてしまいました。
(中身のレビューは観てから読もうと思っていまして)

でも本当に観て良かったです。
時間とお金が許せば神戸にも行きたいくらいでした。
キャパの違いでも芝居の雰囲気は変わりますよね。

ぷりんさんは2回目も観られましたか?
また是非感想書いて下さい。

by ミル茶 (2010-10-13 21:34) 

ぷりん

ミル茶さん
いいお芝居でしたね。
俳優座でやる若手公演としては、ちょうどよかったんじゃないかと思います。
二度目の感想はいまだに下書きのままです(笑)
年内にはアップしたい、と・・・。
by ぷりん (2010-12-03 08:53) 

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