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『新センセイの鞄』 [観劇]

新センセイの鞄
音楽劇『新センセイの鞄』@紀伊国屋サザンシアター
2010年4月1日13時半開演 19列12番

原作:川上弘美

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

  • 作者: 川上 弘美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/09/03
  • メディア: 文庫


脚本:鈴木哲也/マキノノゾミ
演出:マキノノゾミ

出演:
沢田研二/富田靖子/田中隆三/松永玲子/細見大輔/
山崎イサオ/すわ親治/小西康久/山口智恵/宴堂裕子/伊藤聡子


細見さんがキャラメルボックス退団後の初舞台。
そんなに出番は多くないってことだったけど、行ってきました。

原作読んでないんだけど、これはぜひとも読んでみたい作品。

舞台上で生演奏があったんだよね。
アコーディオンとチェロ、パーカッション。
これは豪華だったなぁ。

サザンシアターであそこまで高低差のあるセットってのも新鮮。
バンドセットが入るスペースもあるし。
セットは回り盆で転換。
照明の加減で、裏側でやってる演技を透けて見せるシーンも。

ジュリーは、演技してるときはおじいちゃんセンセイ。
でも歌うと声の艶と響きがすごいんだ。
同じ人が発してる“声”とは思えないよなぁ。
ほんと歌手ってすごい。

淡々とした演技、頑固だけど、可愛らしいセンセイ。
魅力的な人だなぁ、と思った。
(頑固な部分は、自分の父親思いだして若干腹が立つことも(笑))

富田靖子演じるツキコ。
30代後半、素直になれない女性。
周囲に期待された自分を演じてしまう。
素直になりたくても意地を張ってしまう。
押されれば譲ってしまう。
そんな自分に苛立ち後悔して、落ち込むことがある。
自分に通じる部分もあり、ざわざわしたり、いらっとしたり、ぐっときたり。

正月のシーン。
センセイが「ツキコさんはイイ子ですね」と言いながら、ツキコの頭をと撫でる。
あれは涙出たなぁ。

個人的にはですね。
細見さんの“大人な演技”ってぐらっと来るのよね(笑)
キャラメルでは絶対に観ることがない種類の演技。
あぁいう演技してるときの細見さんは色っぽいと思う。
あんな人に口説かれたら、落ちるわ、私なら(笑)
確かに出演シーンは多くないけど、どこでもしっかり存在感あったなぁ。
それぞれの役を楽しんで演じてるって印象。

音楽劇なので、途中に何曲が歌が。
みんなで歌う楽しげな曲たちはほんとわくわくしたなぁ。
個人的には花見の時の曲が好きかな。
あぁ、細見さんの声はしっかり聴こえてた。
大勢の中でも、イイ声って響くねぇ。


人と向き合うこと。
心を開いて、誰かと向き合うのはパワーがいる。
傷つくかもしれないから怖いし、めんどう。
でも、そうしなければいつまでも“一人”。
誰かと一緒にいても“一人”。

ふとね。
私って最近、誰かと“向き合った”かなぁ?と。
ここんとこ避けてるような気がする(苦笑)


センセイと心を通わせ、でも失ってしまったツキコは幸せなのかな。
本当の意味では“失って”ないのかもしれないけど。
ツキコはこれからどう生きて行くのかな。
最後に、ふとそんなことを思った。

実はあんまり期待してなかったこの公演。
細見さんが観られればいいや、くらいの気持ちで行ったんだけどね。
期待以上に素敵な作品、いい座組で大満足だった。

本日4月4日千秋楽。
タグ:観劇
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