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『凡骨タウン』 [観劇]

『凡骨タウン』
モダンスイマーズ『凡骨タウン』@東京芸術劇場小ホール1
2010年2月10日15時開演 D列13番

作・演出:蓬莱竜太

出演:
ケン……萩原聖人

キヌ子……緒川たまき

カナエ・老婆……佐古真弓
ゴウカイ……辰巳智秋

早乙女……千葉哲也

モダンスイマーズ
ハルフミ・ウメオ……古山憲太郎
ナー……津村知与支
ツッキー・ゲバルト……小椋毅
タカ・ヨシテおじさん……西條義将


『夜光ホテル』の続編として上演された今作。
前作を観てなくても楽しめる、と。
もちろん私は観てるのでさらに楽しめたなぁ。

前作は、モダンの4人+萩原聖人の5人で1シチュエーションでの芝居。
今回はそこにさらに4人の9人。
セットは一切かわらないけど、色んな場面が交錯する。

現実なのか、夢なのか、妄想なのか、回想なのか。

萩原聖人演じるケンと千葉哲也演じる早乙女のやりとり。
緊迫感とふと空気が緩む瞬間と。
同じセリフ・シーンのループがあって、でも少しずつ変わっていく。
緒川たまき演じるキヌ子とのやりとりもよかった。

早乙女とキヌ子の最初の登場の仕方が、視覚的に美しい。
とても印象に残るシーンでもある。

萩原聖人はずっと舞台上に立ちっぱなし。
コロコロと変わっていくシーン。
それに一瞬ついていけないケンは、いったい“いつのケン”なんだろう。
回想なのか、願望なのか。
現実なのか、夢想なのか。

モダンの面々は、今回もそれぞれキャラがしっかりしていてよかったなぁ。
津村さん演じるナーが、またなんとも・・・。
前作同様、“バカ”なんだけど、それだけじゃない、真っすぐで必死で熱い。
目に涙を浮かべて、声は笑いながら、心は泣いて、の演技はぐっときた。

辰巳さんもよかったなぁ。
いつも辰巳さんの演技は笑いの部分が引っかかったりするんだけど、それもなかった。
これは蓬莱さんの演出がうまいんだな。
極端な笑いに走らせなくても、充分に魅力を引き出してる。

佐古さんは、ちょっと残念。
叫ぶシーンで、ほんとに叫んじゃって、声が完全に死んでた。
ウメオの部屋での演技はよかったんだけどなぁ。

千葉さんはあの存在感と貫禄はさすが。
淡々としゃべっているだけなのに、不気味さがあったり。
狡猾さと優しさと。

萩原聖人は冒頭の冷静なケンから、後半にかけての壊れていく様子がすごかった。
最後はまたクールなケンになる。
その変化がすごい。
ステージの最初と最後で、本当に顔色が変化して痩せてくように見えた。
んー、やっぱかっこいいなぁ(笑)

今回の芝居は、すっきりしないまま終わる。
こういうモダンの芝居、好きだなぁ。
『トワイライト』もそうだったけど、ぽんっとこちらに全部投げられる。
あとは好きなようにして、とでも言わんがばかり。

ストーリーをちゃんと理解して、自分の中で消化するにはもう一回は観たいところ。
今回は無理なので、自分なりに考えて消化するしかないけどね。


モダンスイマーズ『凡骨タウン』@東京芸術劇場小ホール1
2010年2月5日(金)~2月21日(日)
チケット購入他、詳細は公式サイトにて。
http://www.modernswimmers.com/

タグ:観劇
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